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筋肉ドクターの気まぐれ日記

Killing Timeに日記を書き候
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11.23.08:33

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  • 11/23/08:33

04.30.09:55

術中死、術後死

最近、割と話題ですが、世間、マスコミの皆さんの論評は手術が下手なんじゃないか?って意見が多い気がする。
手術が上手な医者を神の手などともてはやしたりするのもよくあります。

まあ、私は整形外科なんで、術中死、術後死なんてあり得ないくらいの科なので、あくまでも一般腹部、胸部外科の話とは思いますが。

ちなみに脳外科って結構術中術後死ありそうな気がしますが、あまり話題にならないですよね。このままだと死ぬけど何とか手術にかけてみましょうみたいな意識が強いためでしょうか?

と考えると、本来一般外科もこのままだと死ぬけれども何とか手術にかけてみましょうというものが大半だったのが、そういう意識が一般的に減ったってこともあるのかもしれませんね。

で、術中術後死ですが、そんなに匠の技がなければできないような手術ってのは本来一般的ではないわけです。
そんな死ぬかもしれない技術、危なくて使えない。
手術ってのはほぼ誰でも手技を学んだらできる程度のことがほとんどであるべきで、そんな練習に練習を重ねなければできない手術なんて、患者にとってはいい迷惑な話です。
この辺りが皆さん分かっておられない気がします。

では、なぜ術中術後死が多いドクターがいるのか。もちろん超不器用な可能性はありますが、もう一つ考えられるのは手術適応が正しかったのかという話です。

ある意味手術というのは結果オーライなところがあって、例えば超不器用で失敗手術を繰り返していたとしても、治癒力の超強い患者ばかり選んでいれば、だいたい自然と治ってくれたりするわけで、術中術後死なんて無いし、失敗手術なんて言われなかったりするわけです。

だいたい、手術する必要のない患者を手術しまくれば、術中術後死は無くて、患者さんにばれなければ名医と言われたりするかもしれませんが、医者同士ではいかがなものかと思われる医者だったりするわけです。手術をしたがる外科医、いわゆる手術適応の広い医者ってのもいるわけです。

外科って分野ではこのままほっといたら直に死ぬという患者さんがいたりします。通常、こういう患者さんは手術では手の施しようがないと、投薬治療のみであったりホスピスなどの終末期医療の対象になってくるわけです。
しかし、そういう患者さんにも自分は手術で何とかしてみせるという外科医もいたりします。そういう外科医の方は自然と術中術後死が多いわけですが、患者さん本人にしてみれば、他では見捨てられたのにこの先生は何とかしようと頑張ってくれていると、結果亡くなられていても満足だったのかもしれません。

このように、術中術後死が多いから悪い外科医だ、術中術後死が少ないから良い外科医だとは一概に言えない気がするのは、医師だからかな?

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