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筋肉ドクターの気まぐれ日記

Killing Timeに日記を書き候
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11.23.08:01

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  • 11/23/08:01

01.05.01:18

占医師(うらないし)

全くもって、医療的なストーリーでよく語られる「余命宣告」。

しかし、私が学生時代から医師になって今まで、余命宣告の仕方なんて聞いたことがない。

学生時代の教科書だって、この疾患の5年生存率は○%とかそういう言い方しか習っていない。

私は一応外科系ではあるが、整形外科という特殊な外科なので、人の死に目にはめったに出会わない科だ。
本当の外科ではもしかして、先輩先生からこういう時は余命×ヵ月とか言っとけとか、余命△年とか言っとけとか習うのかもしれないが、私の知る限りそういうことを教えてくれた先輩医師はいない。

大体、5年生存率が1%だとしても、1%は5年以上生きてしまうわけで、自分がその1%に入るとも限らない。

で、余命どころか何も言われていない健診で健康ってことになっている人が、翌日怪我に限らず何かの拍子に死ぬこともあるだろう。

人間なんて複雑系の塊みたいなもんだから、余命宣告なんて地震予知と同じで当たるわけがない。


ところが、余命3ヵ月と言われたのに2年生きて立派だとか、2年って言われていたのにもたずに3ヵ月で亡くなったなんてこともザラにある話だろうとは思うが、皆さんそれを信じてドラマにしたりする。まあ、人の生き死になんてのはドラマチックでドラマにしやすいネタなのかもしれない。


で、私がセミナーでよく言うネタですが、もし、そういうことを言う医者がいたとしたら、その余命宣告は前に「私が診た患者は」とか「私が診ると」という前置きがあるんじゃないかと。
5年生存率が文献的には80%だけど、自分の診た患者は3ヵ月で死んでるってことかもしれない。

もしくは、どこかで易でも習って占ったかのどちらかだろう。

可能な限りの客観的論理性を持って診療に当たろうと思っている医師ならば、せいぜい言えることは5年生存率が△%ですってくらいだろう。絶対に確率の話しか出来ないはずだ。


ということで、私がセミナーでよくいうネタ、あなたの余命は○ヵ月ですと言われたら、その言った人は科学的知見を持った医師ではなくて、占医師(うらないし)だと思えと。

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