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筋肉ドクターの気まぐれ日記

Killing Timeに日記を書き候
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11.25.03:44

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  • 11/25/03:44

04.25.15:57

パラダイムシフト

科学の世界では、時々パラダイムシフトと言って、それまで考えられていた原則が覆ることが時々ある。
しかし、昨日授業で話していて思ったのだが、医療の世界では結構頻度が高い気がする。
私が研修医の頃と現在でも大きく異なることがある。


まず、これは夏井睦先生の努力の賜物で一般常識になりつつあるが、傷は消毒とガーゼで乾燥させるという常識が、消毒は使わずに水で洗って清潔に保ち、湿潤環境にする方が傷には良いという常識に変わったことだ。
私が研修医の時など、何も考えず、傷はイソジン消毒し、ガーゼを当てていた。しかし、現在は私は全くやっていない。痛くて治りが悪くなる可能性があるのにやろうと思わない。せいぜい医療者にメリットは薬剤料が多少取れる程度のことだ。

次に、最近やっと日本整形外科学会も認めた、多くの腰痛は器質的な以上ではなく、機能的なものだということだ。要するにどっかが壊れて痛いわけじゃないということだ。構造的には異常が無いけれども痛みが発生していることが徐々に分かってきている。これは、腰に限らず、他の部位の慢性疼痛にも言われ出している。
要するに、構造は異常じゃないわけだから、治す必要は無いということだ。
私が研修医の時などは、レントゲンの読影が出来ることがうれしくて、患者さんにレントゲン上、骨のここに変形が、この関節、椎間板に異常がと説明したものだったが、今はそういったことは全く言わない。

そして、これはまだまだ一般的ではないかもしれないが、個人的に強く感じていることだが、運動器の慢性疾患には安静でなく、運動、特に筋トレが重要だということだ。
概ね安静はこういった場合有害な場合が多く、運動をした方が良いというのは言われつつあるが、患者さんの安静から起こる筋力低下による運動障害など多々目にするのだが、手っ取り早く機能を回復するには、筋トレが一番早いのは当たり前にしか思えない。まだまだ医学データが揃っていないという理由で行われていないように思うが、それしかないと確信に近いものがある。
これも、私が研修医の時など、痛い?じゃあ安静にと言ったもんだ。上の先生に習った炎症の急性期はなどと、要素還元主義な考え方が現実的ではないことにまだ気付いていなかった私の甘さだ。


これから先の何年あるか分からない臨床医生活の中で、他にどんなパラダイムシフトが起こるかな?

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